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蜂の子を使った炊き込みご飯

蜂の子は古くから貴重なタンパク源として、主に山間部で食されてきました。
蜂の子を使った伝統的な料理に、蜂の子の炊き込みご飯があります。
蜂の子の炊き込みご飯は、蜂の子の産地である岐阜県や愛知県の郷土料理です。

「へぼめし」と呼ばれる蜂の子の炊き込みご飯

蜂の子として主に食べられているのは、クロスズメバチの幼虫やサナギです。

岐阜県の東濃地方や静岡県・愛知県の山間部では、クロスズメバチの蜂の子を「へぼ」と呼び、炊き込みご飯にして食べる習慣があります。これらの地域では、蜂の子の炊き込みご飯は「へぼめし」と呼ばれます。
静岡県藤枝市岡部地区では、「はえはちめし」という呼び方もされています。

クロスズメバチの蜂の子は、主に蜂の活動が盛んになる秋に採取されます。
これらの地域では秋祭りの時期のご馳走として、蜂の子の炊き込みご飯が古くから食べられてきました。

蜂の子の炊き込みご飯の作り方

蜂の子の炊き込みご飯の作り方をご紹介します。作り方は簡単で、普通の炊き込みご飯の具材として蜂の子を使うだけです。

材料

  • 米 3合
  • 蜂の子 100g
  • にんじん 1/2本
  • しめじ 1パック
  • ゴボウ 1/2本
  • 油揚げ 2枚
  • 料理酒 50cc
  • みりん 50cc
  • 醤油 30cc
  • だしの素 大さじ1
  • サラダ油 少々

作り方

  1. 生の蜂の子を使う場合は、巣から取り出して流水で洗い、水気を切ります。冷凍の蜂の子は、解凍すると栄養や旨味が水分と一緒に流れ出てしまうので、解凍せずにそのまま使います。
  2. フライパンに油を薄くひいて、蜂の子を弱火で炒めます。蜂の子は柔らかいため、崩れないように優しく扱います。表面がカラッとしたら火から降ろします。
  3. にんじん、しめじ、ゴボウなどを食べやすい大きさに切ります。
  4. 米をとぎ、だしの素と調味料を入れ、炊飯器の目盛りまで水を入れます。
  5. 炊き上がりのムラをなくすため、米と具材をよく混ぜてから炊飯します。

蜂の子以外の具材を使わない「へぼめし」の作り方

蜂の子以外の具材を入れずに作る、伝統的なへぼめしの作り方もあります。

  1. 米3合に対して、蜂の子を100g、醤油を180cc、砂糖を少々用意します。
  2. 蜂の子を醤油と砂糖で炒るように煮上げます。
  3. ご飯は普通に炊いて、炊き上がる間際に調味料で煮上げた蜂の子を入れて混ぜます。
  4. 再度ご飯に火を入れ、香ばしい香りがするまで火を加えます。

こうした炊き込みご飯のほか、あらかじめ作っておいた蜂の子の佃煮をご飯に混ぜて、「蜂の子の混ぜご飯」にする食べ方もあります。
蜂の子の混ぜご飯は、特に蜂の子の産地として知られる長野県で一般的な食べ方です。

蜂の子の炊き込みご飯が食べられる場所

岐阜県や愛知県の山間部などの蜂の子の産地には、へぼめしを提供している飲食店があります。こうした産地の道の駅や土産物屋も、へぼめしを販売している場合があります。
これらの飲食店のほか、毎年行われる蜂の子に関するイベントでも、へぼめしが販売されています。

蜂の子に関するイベントで最も有名なのが、岐阜県恵那市串原で毎年11月3日に行われる「くしはらヘボまつり」です。このイベント会場では、毎年へぼめしが販売されています。このお祭りのメインイベントは、養殖で育てた蜂の巣の大きさを競うコンテストです。また、生の蜂の子の即売会も行われるほか、「ヘボ五平」と呼ばれる蜂の子を使った五平餅も販売されます。
愛知県北設楽郡設楽町で行われる「名倉はちサミット」や、愛知県豊田市五反田町の「足助ヘボコンテスト」も蜂の子に関するイベントとして有名で、これらの会場では毎年へぼめしの販売が行われています。

蜂の子の炊き込みご飯は伝統食

蜂の子の炊き込みご飯は、古くから地域で食べられてきた伝統食です。江戸時代の1850年に記された『想山著聞奇集』には、現在の岐阜県美濃地方や長野県木曽地方の人々が、蜂の子を醤油で味付けしてご飯に混ぜ、客をもてなすご馳走として提供していたことが記されています。当時からクロスズメバチの蜂の子が「へぼ」と呼ばれていたことも記されており、こうした記述からも、へぼめしが古くからの伝統食であることが分かります。

長野県では混ぜご飯が主流

岐阜県や愛知県と同じく、長野県も蜂の子の産地として知られています。長野県では、クロスズメバチの蜂の子を「すがら」「すがる」「すがれ」などと呼び、蜂の子の佃煮や甘露煮の缶詰が多く生産されています。
長野県では、炊き込みご飯よりも、佃煮をご飯に混ぜた「蜂の子の混ぜご飯」がよく食べられています。蜂の子の産地として有名な長野県伊那地方の直売所などでは、ご飯に混ぜるだけで蜂の子ご飯ができる「混ぜご飯の素」も販売されています。

まとめ

蜂の子の炊き込みご飯は、岐阜県や愛知県の郷土料理として有名で、これらの地域では「へぼめし」と呼ばれます。
蜂の子があれば作り方は簡単なので、自宅で試してみるのもお勧めです。
へぼめしは地域の飲食店や、各地で秋に行われる蜂の子のイベント会場でも販売されています。古くからの伝統食を体験する意味でも、いちど蜂の子の炊き込みご飯を食べてみてはいかがでしょうか。

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