蜂の子と合わせて摂りたい栄養素
蜂の子は、古くから滋養強壮に効果的な健康食品として親しまれ、多くの健康効果があることで知られています。
他の食材に含まれるいくつかの栄養素には、蜂の子成分との相乗効果があり、蜂の子の健康効果を高める働きがあります。
こうした蜂の子成分と相性が良く、蜂の子と合わせて摂りたい栄養素について解説します。
貧血予防に葉酸・ビタミンB12
葉酸とビタミンB12は、貧血症状の予防・改善にとても効果的な栄養素です。蜂の子には、鉄分などの貧血予防に役立つ成分が含まれていますが、葉酸とビタミンB12は含まれていません。これらを合わせて摂取することで、貧血症状に対するより高い改善効果が得られます。
貧血は、血液を構成する赤血球の数や機能が低下して、血液の酸素運搬能力が弱まる疾患です。貧血症状の改善には、赤血球の生成を促す成分の摂取が重要です。
葉酸とビタミンB12は、共に水に溶けやすい性質をもつ水溶性ビタミンの一種で、赤血球の生成を促進します。この働きから、両者は「造血のビタミン」と呼ばれます。
葉酸とビタミンB12は、赤血球の生成に関わる酵素を助ける補酵素として働き、赤血球のもとになる赤芽球の生成に不可欠な成分です。これらの成分が不足すると正常な赤血球が生成されず、貧血が起こります。
蜂の子には、鉄やタンパク質などの赤血球の材料が豊富に含まれています。しかし、葉酸とビタミンB12のどちらかでも不足していると、蜂の子の成分が有効利用されません。葉酸やビタミンB12と蜂の子は、貧血を予防・改善したい人にお勧めの組み合わせです。
蜂の子には、鉄、タンパク質、亜鉛、銅、ピリドキシンといった貧血症状の予防・改善に役立つ栄養素が豊富に含まれています。
赤血球を構成するヘモグロビンは、鉄とタンパク質からできています。蜂の子に含まれている鉄はヘム鉄と呼ばれ、野菜などに含まれる非ヘム鉄よりも体内への吸収率が高いという特徴があります。
亜鉛は細胞分裂に関わる酵素の働きに関わり、赤血球の生成にも不可欠です。血液中の亜鉛濃度が低くなると貧血の危険性が高まることが、研究で明らかになっています。
銅には、ヘモグロビン生成の際に鉄を必要な場所に移動させる役割があります。銅欠乏性貧血という貧血のタイプもあります。
ピリドキシンはビタミンB6に分類される栄養素で、赤血球の生成を促進する働きがあります。鉄分が有効利用されずに貧血になる鉄芽球性貧血という疾患の治療にも使用される成分です。
蜂の子には、貧血症状の予防・改善に効果的な成分が豊富に含まれています。
蜂の子と一緒に葉酸とビタミンB12を摂取することにより、これらの成分が有効利用され、蜂の子の貧血改善効果が高まります。
野菜類:枝豆、モロヘイヤ、アスパラガス、ほうれん草、ブロッコリーなど
果実類:いちご、ライチ、マンゴー、アボカド、アセロラなど
その他:納豆、ナッツ類、牛乳、卵黄、きな粉など
肉類:レバー、牛ハツなど
乳製品:チーズ、脱脂粉乳など
丈夫な骨の形成にビタミンD・ビタミンK
蜂の子には、カルシウム・マグネシウム・リンといった骨の材料になるミネラルが含まれています。これらを有効利用するために、ビタミンDとビタミンKを一緒に摂取するのがお勧めです。これらのビタミンには骨を丈夫にする作用があり、骨粗しょう症の予防などに効果的です。
ビタミンDは油に溶けやすい性質をもった脂溶性ビタミンで、骨の材料になるカルシウムやリンの体内への吸収率を高める働きがあります。また、血液や筋肉中のカルシウム濃度を調節する働きや、カルシウムが尿中に排出されないように体内に再吸収させる働きもあります。
ビタミンDが不足するとカルシウムの吸収率が悪化し、カルシウムが体外に排出されやすくなります。ビタミンDの不足は、背中や胸などの骨が曲がってしまう骨軟化症や、骨粗しょう症の原因になります。更年期以降の女性や高齢者はビタミンDが不足することが多く、カルシウムを十分に摂取していても吸収率が悪くなり、骨粗しょう症になりやすい傾向にあります。
蜂の子にはカルシウムやリンが豊富に含まれています。蜂の子と一緒にビタミンDが含まれている食品を摂取することで、これらのミネラルが吸収されやすくなります。また、体内のカルシウムが有効利用され、骨が丈夫になります。
ビタミンKはビタミンDと同じく脂溶性ビタミンの一種で、カルシウムの骨への沈着を助ける作用があります。
骨芽細胞と呼ばれる骨の形成を行う細胞があり、オステオカルシンと呼ばれるタンパク質を分泌しています。オステオカルシンは骨にカルシウムを取り込む際に必要で、ビタミンKにはこのタンパク質の働きを活性化する作用があります。
ビタミンKが不足すると、骨にカルシウムを取り込む機能が低下して骨がもろくなります。こうした作用により、ビタミンKは骨粗しょう症の治療にも用いられています。
蜂の子には骨の材料となるミネラルが豊富で、骨粗しょう症の予防・改善に効果的です。ビタミンKを蜂の子と一緒に摂取すると、蜂の子の骨粗しょう症に対する効果がより一層強まります。
ビタミンD・ビタミンKは油と一緒に摂取
ビタミンDとビタミンKは脂溶性ビタミンですので、油と一緒に摂ることで吸収率が上がります。
熱にも強いため、油を使った炒め物などで効率よく摂取できます。
これらのビタミンを豊富に含む食材を蜂の子と同時に摂取すると、蜂の子に含まれるカルシウムなどが有効利用され、骨が丈夫になります。
魚介類:魚の干物、いわし、すじこ、しらすなど
きのこ類:きくらげ、干ししいたけなど
納豆、モロヘイヤ、明日葉、ほうれん草、春菊、抹茶など
セロトニン生成を助ける炭水化物
蜂の子には、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの生成に役立つ栄養素が含まれています。
セロトニンは精神の安定や睡眠と深く関係している神経伝達物質で、セロトニンが不足すると精神不安や不眠などの原因になります。セロトニンの不足はうつ病を引き起こすことでも知られており、アメリカではうつ病の治療薬としてセロトニンに関連する成分が処方される場合があります。
炭水化物にはセロトニンの生成を助ける働きがあります。このため、蜂の子と炭水化物を一緒に摂取すると、セロトニンの生成を促進する蜂の子の効果が強まります。
蜂の子には、体内でセロトニンを生成する材料になる必須アミノ酸のトリプトファンが含まれています。セロトニンの生成には、トリプトファンとともにビタミンB群に分類されるピリドキシンが必要で、蜂の子にはピリドキシンも含まれています。これらの成分を含む蜂の子は、セロトニンの生成を促進します。
トリプトファンからセロトニンを効率よく生成するためには、炭水化物の働きが重要です。
トリプトファンは、アミノ酸トランスポーターという物質を介して脳内に運ばれ、脳内でセロトニンに変換されます。アミノ酸トランスポーターには他のアミノ酸を運ぶ働きもあるため、他のアミノ酸が競合すると、効率的にトリプトファンを脳内に運べなくなります。
炭水化物を摂取すると血糖値が上がり、血糖値を下げるためにインスリンが分泌されます。インスリンにはバリン・ロイシンなどのアミノ酸を骨格筋に取り込む作用があるため、競合するアミノ酸が減少します。その結果、アミノ酸トランスポーターがトリプトファンを効率的に脳内へ運べるようになります。こうした働きにより、炭水化物はセロトニンの生成を助けます。
炭水化物は、日本人の主食である白米に多く含まれています。
蜂の子の佃煮は、最も有名な蜂の子の調理法で、ご飯のお供として古くから親しまれてきました。また、蜂の子を使った郷土料理のひとつに、蜂の子の炊き込みご飯があります。こうした伝統的な食べ方は、炭水化物と蜂の子を一緒に摂取するため、セロトニンの生成にとても効果的です。
ご飯、パン、うどんなどの麺類、イモ類など
老化防止にビタミンA・ビタミンE
約2000年前に記された中国最古の薬物書には、蜂の子が老化防止に役立つ薬として記載されています。
野菜などに多く含まれるビタミンAやビタミンEにも身体の老化を防ぐ作用があり、蜂の子との相乗効果が期待できます。
日々の呼吸によって、体内で活性酸素と呼ばれる物質が発生します。活性酸素には強い酸化作用があり、体内での病原菌の処理などに利用されます。活性酸素は身体に必要な成分ですが、増えすぎると正常な細胞を酸化させてしまい、身体の老化を促進します。
蜂の子には、こうした活性酸素の中和に役立つ成分が含まれています。ビタミンCには活性酸素の悪影響を防ぐ強い抗酸化作用があります。また、蜂の子に含まれる鉄とアミノ酸は、活性酸素を中和するための酵素の材料になります。蜂の子は活性酸素の中和を促進して、身体の老化を防ぎます。
蜂の子に含まれるビタミンCと同じく、ビタミンAとビタミンEにも活性酸素を中和する強い抗酸化作用があります。これらのビタミンは合わせて「ビタミンACE(エース)」と呼ばれ、同時に摂取することで互いの働きを高める効果があります。例えば、ビタミンCにはビタミンEの抗酸化作用を強める効果があります。また、ビタミンEにはビタミンAの酸化を防ぐ作用があり、ビタミンAの有効利用を助けます。
蜂の子に含まれるビタミンCと、ビタミンA・ビタミンEは、互いの抗酸化作用を強めて、活性酸素の中和と老化防止に役立ちます。
蜂の子には、若々しい肌の形成に役立つ成分も含まれています。
蜂の子に含まれるアミノ酸は、肌の弾力に必要なコラーゲンの材料になります。コラーゲンの生成にはビタミンCも必要で、蜂の子にはビタミンCも含まれています。また、アミノ酸は肌の保湿成分の材料になり、肌の水分保持にも役立ちます。蜂の子は肌の老化防止に効果的です。
ビタミンAとビタミンEにも肌の老化防止に役立つ効果があり、若々しい肌をつくる蜂の子の効果を助けます。
ビタミンAには皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあり、肌の健康維持を助けます。
ビタミンEには血行を促進する効果があり、肌の新陳代謝を活発にします。また、紫外線から肌を守る効果もあり、シミやソバカスを防ぎます。こうした効果から、ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれます。
これらのビタミンを蜂の子と一緒に摂取することにより、若々しい肌の形成に役立つ蜂の子の効果が高まります。
増えすぎると身体に悪影響を及ぼす活性酸素は、色素を生み出す肌のメラノサイトを刺激して、シミやソバカスの原因にもなります。ビタミンA・ビタミンC・ビタミンEの抗酸化作用は、肌を活性酸素の悪影響から守り、美しい肌の形成にも役立ちます。
豚レバー、鶏レバー、にんじん、モロヘイヤ、かぼちゃ
ナッツ類、かぼちゃ、ほうれん草、モロヘイヤ、うなぎなどの魚介類
まとめ
蜂の子と一緒に摂取すると、蜂の子の効果がより一層高まる栄養素があります。貧血予防には葉酸とビタミンB12、骨を丈夫にしたい場合はビタミンDとビタミンK、精神を安定させるセロトニンの分泌量を増やしたい場合は炭水化物が効果的です。
また、ビタミンAやビタミンEは、老化防止に役立つ蜂の子の効果を助けます。
蜂の子の健康効果や美容効果を高めるために、蜂の子をこれらの栄養素と一緒に摂取することをお勧めします。