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蜂の子が食べられている地域

滋養強壮に効果的な健康食品として有名な蜂の子。缶詰や瓶詰の佃煮が流通していますが、現在の日本では蜂の子を食べる習慣がある地域は限られています。
これらの産地を訪れて本場の蜂の子を食べてみたいと思っている方も多いでしょう。

蜂の子は主にどこで採取され、食べられているのでしょうか。

日本では山間部で主に食べられている

日本の蜂の子の産地としては、長野県・岐阜県・愛知県・静岡県・山梨県・栃木県・岡山県・宮崎県・熊本県が有名です。現在の日本では、主にこれらの県の山間部において蜂の子を食べる食習慣があります。

現在のような物流システムが確立されていない時代には、山間部では魚などが入手しにくく、蜂の子が貴重なタンパク源として食べられてきました。
こうした食文化が日本の各地に現在でも残っています。

この中でも、特に蜂の子が盛んに食べられている地域をいくつかご紹介します。

昆虫食が盛んな長野県

長野県は昆虫食の文化が根強いことで有名です。
蜂の子はもちろん、イナゴ、水生昆虫のざざむし、蚕のサナギなどが貴重なタンパク源として古くから食用とされ、現在も郷土料理として親しまれています。

愛好会やコンテストがある

長野県では、クロスズメバチを「すがら」「すがれ」などと呼び、蜂の子の採取や食用が盛んです。蜂の子の愛好会が伊那市や大町市など県の各地に設立されています。
自然にある蜂の巣から蜂の子を採取するほか、本格的に営巣を始める前の女王バチを採取して巣箱に入れ、自宅などで巣を大きく育てる養殖も盛んに行われています。巣箱で育てた巣の大きさを競うコンテストが伊那市や東御市で毎年開催されています。

「ヘボまつり」がある岐阜県

長野県と並んで、岐阜県も蜂の子の産地として有名です。
岐阜県の恵那市、中津川市などの東濃地方では、クロスズメバチの子を「へぼ」といい、「へぼめし」と呼ばれる炊き込みご飯にして食べる風習があります。
岐阜県各地にもクロスズメバチに関する愛好会が設立されています。

ヘボまつりが開催される

蜂の子に関するイベントとして、日本で一番有名なのが岐阜県恵那市串原で毎年11月に行われる「くしはらヘボまつり」です。このお祭りでは、養殖で育てた蜂の巣の重量を競う「ヘボの巣コンテスト」や、蜂の巣に入った生の蜂の子の即売会が行われ、多くの観光客が訪れます。クロスズメバチをすり潰して砂糖や味噌などで作るタレに混ぜ、五平餅に塗った「ヘボ五平」と呼ばれる郷土料理も販売されます。

ヘボの巣コンテストがある愛知県

海に面した愛知県でも、山間部には蜂の子を食べる食文化があります。
愛知県豊田市を中心に愛好会が設立されており、豊田氏五反田町では、養殖した蜂の子の巣の重量を競う「足助ヘボの巣コンテスト」が毎年開催されています。

蜂の子は日本各地の山間部で食べられている

以上の地域のほか、静岡県・山梨県・栃木県・岡山県・宮崎県・熊本県などの山間部において、蜂の子が食べる食文化が根強く残っています。

地域による特色

山梨県・静岡県には複数の愛好会が設立されており、クロスズメバチの養殖などの活動が行われています。
静岡市葵区の山間部では、岐阜県と同じくクロスズメバチの子を「へぼ」と呼び、炊き込みご飯にして食べる風習があります。静岡県藤枝市では、蜂の子の炊き込みご飯のことを「はえはちめし」と呼んでいます。
宮崎県北部では、オオスズメバチの蜂の子を使ったそうめんを食べる習慣があります。
熊本県では、スズメバチの成虫を生きたまま焼酎に漬け込むスズメバチ酒もつくられています。

蜂の子は世界中で食べられている

蜂の子を食べるのは、日本だけの食習慣ではありません。蜂の子は世界中で食べられています。
最古の例としては、150万年前に東アフリカで蜂の子が食べられていたという研究報告があります。

中国では、古代より薬としても蜂の子が使われていました。

中国の薬学書に記述がある

約2000年前の中国最古の薬学書『神農本草経』に蜂の子に関する記載があり、蜂の子は最高ランクの「上品」に位置づけられています。現在も中国各地で蜂の子が食べられており、雲南省の少数民族では、祝いの席の食事として、蜂の子の炊き込みご飯が食卓に並びます。

ルーマニア、タイ、メキシコ、エクアドルなどでも、古くから貴重なタンパク源として蜂の子が食べられてきまし た。

ルーマニアやタイでの利用法

ルーマニアでは蜂の子は健康食品のひとつとされており、ミツバチ産品を用いたアピセラピーと呼ばれる病気などの治療法も行われています。
タイでは昆虫食盛んで、露天などで様々な昆虫が販売されています。蜂の子も一般的な食材で、一流ホテルのメニューにも使われています。

近年は、日本での蜂の子生産が需要に追いつかず、中国や韓国、ニュージーランドから冷凍や粉末の蜂の子が輸入されています。
こうした国でも蜂の子の採取が盛んに行われていることが分かります。

まとめ

蜂の子は、古くから主に日本の山間部で食用とされており、現在も食文化として地域に根強く残っています。
蜂の子の採取や養殖が盛んな地域では、蜂の巣コンテストなどクロスズメバチに関するイベントが開催され、蜂の子の即売会なども行われています。

蜂の子を食べる文化は世界中にあります。古代から続く人類の食文化を体験する意味でも、いちどこうした産地を訪れて、蜂の子を食べてみることをお勧めします。

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