蜂の子とアレルギー

古くからタンパク源として珍重されてきた健康食品の「蜂の子」。蜂の子にはタンパク質が豊富に含まれているため、他の食品と同じように、ごく稀にアレルギー反応を引き起こす場合があります。蜂の子のアレルギーと、注意すべき点について解説します。

蜂の子はごく稀にアレルギーの原因になる

アレルギーは、外来の異物(抗原)に対して免疫反応が過剰に起こることをいいます。人の免疫反応は身体を異物から守るために必要な機能ですが、反応が過剰に起こると人の健康に害を与えます。
アレルギー反応を引き起こす抗原をアレルゲンといいます。アレルゲンのほとんどはタンパク質でできており、人体のタンパク質と構成が異なるため、アレルゲンを人体から排除しようとする免疫機能が働きます。
蜂の子にはタンパク質が豊富に含まれています。このため、ごく稀にアレルギー反応が起こる場合があります。蜂の子は、卵・大豆・小麦といったタンパク質を含む他の食品と同程度、アレルギーに対する注意が必要です。
蜂の子を原料にしたサプリメントなどでも、アレルギーが起こる可能性があります。サプリなどの蜂の子製品には、アレルギーに対する注意書きがあるのが通常です。サプリを摂る際には注意書きをよく読み、必ずその指示に従いましょう。

蜂の子アレルギーに特に注意が必要なケース

蜂の子はごく稀にアレルギーの原因になります。以下のようなケースでは、アレルギーの可能性が上がると考えられるため、蜂の子の摂取を控えるなど注意が必要です。

甲殻類アレルギーの場合

エビ・カニなどの甲殻類にアレルギーを持つ人は、蜂の子アレルギーを発症する可能性が上がると考えられています。
甲殻類アレルギーの原因は、甲殻類の筋肉に含まれるトロポミオシンと呼ばれるタンパク質です。トロポミオシンは、蜂やアリ、カイコガなどの昆虫の筋肉にも含まれており、構成が甲殻類のトロポミオシンと似ています。このため、甲殻類アレルギーを起こす抗体が、蜂の子に含まれるトロポミオシンに反応してアレルギーを起こす可能性があります。
甲殻類アレルギーが蜂の子アレルギーを必ず伴う訳ではなく、甲殻類アレルギーの人が蜂の子を問題なく摂取しているケースもあります。甲殻類アレルギーと蜂の子アレルギーはあくまで関連がある程度ですが、アレルギー症状を避けるためには、甲殻類アレルギーの人は蜂の子の摂取を避けるべきです。
トロポミオシンは熱で変性しにくく、エビ・カニを煮込んだスープでもアレルギー反応がおこります。調理した蜂の子でも、トロポミオシンが原因のアレルギーは防げません。

喘息の経験がある場合

喘息の経験がある人は、蜂の子アレルギーを発症する可能性が上がると考えられるため、蜂の子の摂取を控えるべきです。
喘息の原因のひとつに、ハウスダストに含まれるダニ・ゴキブリのタンパク質があります。甲殻類と同じく、ダニやゴキブリの筋肉にも蜂に似た構成のトロポミオシンが含まれています。喘息の原因がダニなどの死骸に含まれるトロポミオシンだった場合、抗体が身体で生成されているため、蜂の子のトロポミオシンに反応してアレルギー反応が起こる可能性があります。甲殻類アレルギーの場合と同じく、必ず起こる訳ではありませんが、危険を避けるためには蜂の子の摂取を控えるべきです。

蜂に刺されたことがある場合

過去に蜂に刺されたことがある場合も、通常よりアレルギーの可能性が上がると考えられています。
蜂の毒の成分は、アミン類・低分子ペプチド類・酵素類などタンパク質が中心です。蜂に刺されると、これらのタンパク質を排除するための抗体が身体で作られる場合があります。蜂のタンパク質に対する抗体を持った状態で蜂の子を食べると、アレルギー反応が起こる可能性があります。
蜂に刺されると必ず抗体の生成や蜂の子アレルギーが起こるわけではありません。何度も蜂に刺されている多くの蜂猟師の方が、自分で採取した蜂の子を問題なく食べています。アレルギーには個人差があり、あくまで可能性が上がるという話ですが、アレルギー反応を回避するためには注意が必要です。
蜂の毒に対するアレルギーの有無は、病院での皮膚検査や血液検査で確認できます。不安な場合は病院で確認してみるのもひとつの手です。

極度に疲労している場合

体調が極めて悪化している際に、昆虫など未経験の食品を口にすると、アレルギーの発生確率が上がると考えられています。極めて低い確率ですが、昆虫食でアレルギー反応が起こるケースが報告されており、発症した人は当日、睡眠不足や極度の疲労状態だったことが確認されています。
蜂の子などの昆虫食を新たに行う場合は、極度の疲労や睡眠不足の状態を避けたうえで、少量ずつ食べて身体への影響を確認しながら摂取すると安心です。

蜂の子の成分以外で注意すべき点

蜂の子自体の成分に対するアレルギー以外にも、いくつか注意すべき点があります。

蜂の子が採取された土地の影響

蜂の子は自然界で採取される食品なので、採取された土地の影響を受けています。蜂が育った土地が農薬汚染や土壌汚染の影響を受けていた場合、蜂の子にも薬品などの成分が混入している恐れがあります。蜂の子は一度に大量に食べるものではなく、混入物質の影響も限定されますが、産地を確認するなど注意することをお勧めします。

サプリなどに含まれる他の成分

蜂の子を使ったサプリメントは数多く販売されており、多くの場合、蜂の子以外の成分も配合されています。更なる健康効果を狙っての配合ですが、これら蜂の子以外の成分がアレルギーを引き起こす可能性もあります。また、これらの添加された成分が、飲んでいる薬と相互作用を起こすなど悪影響を及ぼす場合もあります。例えば、ある種の抗生物質や潰瘍治療薬は、ビタミンB12と相互作用を起こします。こうした薬を飲んでいる場合は、ビタミンB12が配合されているサプリメントの摂取を控えるべきです。
蜂の子サプリメントを購入する際は、配合されている蜂の子以外の成分も調べて、身体に悪影響がないか確認しましょう。病気の治療などで薬を飲んでいる場合は、サプリの摂取について必ず医師の判断を仰いでください。

アレルギーに注意しつつ蜂の子で健康増進

蜂の子には多くの滋養強壮効果がありますが、他の食品と同じく、ごく稀にアレルギーを引き起こす場合があります。甲殻類アレルギーや喘息の場合は、蜂の子アレルギーの可能性が高まるため、蜂の子の摂取を控えましょう。健康のために摂取したのに、かえって健康を損ねては元も子もありません。アレルギーに注意して、最初は少量ずつ試すなど工夫をしながら、蜂の子を毎日の生活に取り入れていくことをお勧めします。

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