※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

蜂の子として食べられている蜂の種類

古くから貴重なタンパク源として各地で食べられてきた蜂の子。
蜂の子は蜂の幼虫やサナギですが、蜂にはミツバチやスズメバチなど数多くの種類があります。
蜂の子として食べられている蜂には、どんな種類があるのでしょうか。

スズメバチ類やミツバチが主に食べられている

蜂の子は、その名前の通り、蜂の幼虫やサナギです。
現在、日本で主に食べられている蜂の子の種類には、クロスズメバチ、オオスズメバチ、ミツバチ、アシナガバチ、キイロスズメバチなどが挙げられます。
クマバチや他のスズメバチ類など、これら以外のすべての蜂の幼虫やサナギも「蜂の子」と呼ばれ、食べることができます。

日本各地で食べられていたことが調査で明らかになっている

古くから、あらゆる種類の蜂の子が貴重なタンパク源として日本各地で食べられてきました。1919年に、当時の政府機関による大規模な昆虫食に関するアンケート調査が行われています。この調査により、現在では蜂の子を食べる習慣がない多くの地域で、さまざまな種類の蜂の子が食べられていたことが明らかになっています。

蜂の子として主に食べられている蜂

蜂の子として主に食べられている蜂の種類をみていきましょう。

クロスズメバチ

蜂の子として最も多く食べられているのが、クロスズメバチの幼虫やサナギです。
クロスズメバチは、地方によって、ヘボ、ジバチ、ドバチ、スガレ、タカブなどと呼ばれます。体長10~18mmと小型で、全身が黒く、白や淡黄色の横縞模様があります。

スズメバチの旬は秋

クロスズメバチなどのスズメバチ類は、幼虫のエサとなる昆虫が豊富な秋頃に生殖活動が最も盛んになり、個体数が増えます。この秋の季節がスズメバチ類の蜂の子の旬になり、採取も盛んに行われます。

「ハチ追い」や養殖で採取される

クロスズメバチは、巣を地面の下につくります。山や森に生息しているクロスズメバチの蜂の子を採取するには、隠れた巣を見つけ出す必要があり、蜂がエサを巣に運ぶのを追跡する「ハチ追い」と呼ばれる方法などが用いられます。
自然界にある蜂の巣の採取のほか、巣箱を利用したクロスズメバチの養殖も行われています。岐阜県恵那市や長野県伊那市など、クロスズメバチを食用にする伝統がある地域では、養殖で育てたクロスズメバチの巣の大きさを競うイベントが毎年開催されています。

クロスズメバチは、佃煮や甘露煮、「へぼめし」と呼ばれる炊き込みご飯、炒め物、唐揚げなどの調理法で食べられています。
長野県では、蜂の子の佃煮の缶詰や瓶詰の生産も盛んです。
蜂の子の佃煮の缶詰は、産地の土産物屋などのほか、通信販売でも購入できます。

オオスズメバチ

スズメバチ類で最も大型のオオスズメバチの幼虫やサナギも、蜂の子として古くから食べられています。
オオスズメバチの体長は、女王蜂が40-45mm、働き蜂が27~40mm、オスの蜂が35~40mmと大きく、蜂の子も他の蜂に比べて巨大です。
オオスズメバチは攻撃性が高く、巣の採取には大きな危険が伴います。

スズメバチ類で一番大きなオオスズメバチの蜂の子が、味についても一番優れているといわれています。
オオスズメバチの幼虫やサナギは、クロスズメバチに比べてクリーミーな味わいが強く、美味とされます。

オオスズメバチの蜂の子は通信販売でも販売されていますが、入手の危険性から数が少なく、1匹500円以上の値がつけられることもあるなど非常に高価です。

キイロスズメバチ

スズメバチの一種キイロスズメバチの蜂の子も食用とされます。
働き蜂の体長が17~24mm程度で、黄色い体に黒の縞模様があります。日本に生息するスズメバチでは巣の規模が最も大きく、大きな巣は直径1メートル近くにもなります。

都市部にも巣を作る

人家の軒下や都市部などにも巣をつくるため、刺される被害例が多い蜂です。
近年、キイロスズメバチは人が出すゴミをエサにすることを覚え、都市部で巣をつくることが増えています。キイロスズメバチは攻撃性が高く大変危険です。蜂の子が採れるからといって、素人が巣に近付いてはいけません。蜂の巣を取り除く場合は、個人で行おうとせず、必ず専門の業者に依頼するか行政機関に相談しましょう。

キイロスズメバチの蜂の子の味は、オオスズメバチやクロスズメバチより劣るとされています。
攻撃性が高く、駆除対象として巣の撤去に薬剤が用いられることが多いため、キイロスズメバチの蜂の子はあまり流通していません。

ミツバチ

養蜂に用いられるミツバチの幼虫も、蜂の子として食べられています。
女王蜂や働き蜂といったメスの蜂は、蜂蜜やローヤルゼリーの生産という役割があるため、主にオスの幼虫が蜂の子として食べられています。
オス蜂はメスの働き蜂に比べて幼虫の期間が長く、栄養や味の面で優れているといわれています。
ミツバチの幼虫はスズメバチ類に比べて小さく、体も柔らかく崩れやすい特徴があります。

ミツバチの旬は春

ミツバチは花の蜜や花粉を食料にするため、ミツバチの個体数が増えるのは食料が豊富な4月から6月にかけてです。生殖のために生まれるオスはこの時期にしか発生せず、ミツバチの蜂の子採取もこの時期に行われます。
ミツバチの蜂の子は、佃煮などに加工されるほか、サプリメントの材料としても広く使われています。

アシナガバチ

アシナガバチの幼虫やサナギも、蜂の子として食されます。前述の1919年の調査でも、アシナガバチが当時の日本各地で食べられていたことが報告されています。

アシナガバチは大人しい性格で、巣を攻撃しなければほとんど刺してくることはありません。
むしろ、農作物に被害を与える蛾や蝶の幼虫を駆除してくれる益虫として知られています。
このため、アシナガバチの巣の駆除はあまり行われておらず、蜂の子として食べられる機会も減っています。

まとめ

日本では、クロスズメバチを中心に、オオスズメバチ、ミツバチ、キイロスズメバチ、アシナガバチの幼虫やサナギが蜂の子として食べられています。
これら以外の蜂の幼虫も蜂の子と呼ばれ、食用にすることができます。
蜂の種類によって蜂の子の大きさや味が違うため、その違いを確かめてみるのも蜂の子を食べる楽しみのひとつです。

古くから貴重なタンパク源として、さまざまな種類の蜂の子が食用とされてきました。身体の健康に役立つ成分が豊富に含まれている伝統食の蜂の子を、いちど食べてみることをお勧めします。

関連情報一覧